レコードカッティングは、レコードに音声と同じ物理的な溝を掘る(カッティングする)作業です。
つまりは、スピーカーにカッティング針がついているのがカッティングヘッドと思ってもらえばわかりやすいかと思います。
それをブランク(溝が全く入っていない)のレコードに掘っていくため、カッティングヘッドを少しづつレコードの内側にずらしていければ、らせん状に溝を掘っていけるので、レコードカッティングマシンが完成します!w
細かいことを端折って言っていますが、大枠はそのとおりで、後は微調整やノウハウが入ってくると↑のような立派なマシンになってしまうわけです。(↑のマシンはneumann / vms70です。詳しくはここに)
また、レコードカッティングマシンの機能や各部位についてのまとめはこちら
さて、実際にカットしているときのようすをズームアップしてみてみます。
↑の写真がまさにレコードにカッティングしているときの写真です。カッティングヘッド(黄色の三角の部分)とその先からカッティング針が見えます。
多くのカッティングヘッドは三角の形をしているものが多いですが、これは以下のようにステレオをカットするために最適化されているためです。
一つの溝にステレオ溝をカットします。
それを実現しようとすると↑の図のように45°で左と右に違う溝を掘るという手法になります。一本の針でです。
さきほどスピーカーにカッティング針をつければいいと言いましたが、もう少し掘り下げると、スピーカーは電磁誘導(コイルと磁石)で振動を作り出すものです。実際には磁石は固定してコイル側を動かします。(この手法をmoving coilといいます。逆にコイルを固定して、磁石を動かすのはmoving magnetといいます)
また、このユニットのことをドライブコイルとも言ったりします。
それを45°に傾けて2つ配置して、カッティング針をつけると以下のようになります。
V字のコイルがまかれている部分が動くイメージです。電磁誘導のムービングコイル方式です。
これを実際のカッティングヘッドに照らし合わせてみると、、
このようになります。
以上が、レコードカッティングの基本的な原理になります。
おまけ
実際のレコードはこのようにカットされたもの自体を大量に作っているわけではなく、これを版画のようにコピーして大量生産しています。
かわいい絵を見つけたのでそれを乗せときます。
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