HARA, VANROCK, KS-7000修理ログと今後の展開(アップグレードツールの紹介)

 継続的に日本製の古いアナログレコードカッティングマシンを修理しております。

最近は、ATOM/VANROCK以外にもHARAや珍しいKS-7000の修理も行いました。ご依頼ありがとうございます。







何台も修理していると壊れている箇所や壊れ方に似た部分があります。
一番消耗しているのはゴムベルトです。やはり経年劣化でゴムがヘタっていることや、切れてしまっていることが多いです。ゴムベルトは3本~4本ほどカッティングマシン1台に使われており、一個でもダメになるとターンテーブルが回転しなかったり、テーブルがスライドしなくなります。

あとは、ネジが緩み、回転時に異音がするというパターンも多いです。
その他としては、ストッパースイッチが壊れている、ストッパーの形状が変形している、ボリュームにガリがある、電源が入らない、電源ケーブルがない、ブランクレコードを抑えるスタビライザーがない、アンプから音がならない、など故障箇所は多岐に渡りますが、全て修理対応することができました。

さらに修理をしていく上で、こうしたらもっと良くなるのではないか?というアイデアが浮かび、色々と実験し、効果があれば、製品化して修理の際にご提案したり、別途単体で販売も行っております。上の写真は針先を温めるためのスタイラスヒーティングツールズというものになりますが、日本だけに留まらず、海外からもありがたくもたくさん問い合わせをいただけております。

今後のアップグレード製品としては、以下のラインアップの追加を検討しております。
  • サイレントバキュームツールズ (レコードのカッティング時にでる削りかすを吸い取るツール、音がカット時に影響しないように静音構造に重視し、かつ、吸引力があります。)

  • 低頭小型スタビライザー(スタビライザーの高さと大きさを小さくし、カッティングヘッドが当たらないように設計しております。これにより録音時間が伸びます)

  • レースコントロールツール (ヘッドやターンテーブルの横のスライドを個別に制御できるようにするツールです。現行のカッティングマシンは、ターンテーブルの回転用のモーターを使い、スライドをさせているためにギアを多用しており、回転時のギアの音がカッティング時にも影響しております。それを分離し、静音化するのと、ロックドループ溝や、溝と溝の距離を自由に調整したり、MIDIでDTMと同期して動作するようにしたり、カット終了後に自動でホームポジションにスライドしたりすることが可能になります)

  • ステレオカッティングヘッド (上記で挙げたカッティングマシンは全てモノラルのカッティングヘッドになります。それを交換し、ステレオのカッティングヘッドにし、音質の向上を目指します

  • プリ/パワーアンプ (上記のステレオヘッドの場合は、内臓のアンプが使用できないため、外付けのプリ/パワーアンプを設計中です。さらに8EQやフィードバックも受けれるようにしております。今後、アップグレードに必要な機能を盛り込みます)
上記の状況は別途こちらのブログやインスタグラムに更新していきます。
引き続きご支援のよろしくお願いいたします!!



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